「クロワッサンの秘密」神戸のパン屋、レコルトがお伝えするパン講座

クロワッサンイメージ02

クロワッサンはご存知の通り、パン生地(デトランプ)でバターなどのロールイン油脂を包み、

それを伸ばしては折るを繰り返すことで、生地とバターの層を何層にも構築します。


一番ポピュラーは、3×3×3の27層。


三つ折りを3回行うことで、27層の生地と油脂の層ができます。


ここで使うロールイン油脂とは、バターなどの固形の可塑性油脂のことを指します。


このロールイン油脂に必要な特徴は、


口溶けの良さ、風味の良さ、腰の強さ、伸展性の良さ、可塑性範囲の広さ、などがあります。


バターは、風味や口溶けには優れますが、伸展性悪さ、可塑性範囲の狭さで短所があります。そして高価です。


逆にマーガリンなどは、伸展性の良さ、可塑性範囲の広さ、そして安価ではありますが、嗜好性に劣ります。


この両方の長所を引出したのが、コンパウンドタイプの油脂です。


クロワッサンイメージ01



これもあくまでも私の好み、趣味ですが、レコルトはクロワッサン、デニッシュの折り込み油脂は「バター」です。


バターの中でもさらに作業性が良くない「イズニー社の発酵バター」を使用しております。


このバターは、他のバターと比較して、同じ温度帯で比較すると圧倒的に硬い。伸展性が悪いのが短所です。


でも圧倒的に風味が良くて、たくさんの量を織り込んでも、嫌な臭み、重たくなりません。


これは、職人気質に火が付く。と言いますか、圧倒的に美味しさがそこにあって、でもジャジャ馬の様に誰もが乗りこなせない・・・


と言われると、・・・乗りたくなります(笑)


小麦もそうです。


いつも小麦販売業社さんから営業を受けますが、「使いやすい!」とか、「安価」とか、「作業性がいい」とかこんな売り文句を聞いた途端に使う気がなくなります(笑)


面倒臭い性格です(笑)


それよりも、「これめちゃくちゃ香りいいんですが、使いにくいです」って言われた方が燃えます。


きっと職人さんはそんな人が多いのではないでしょうか。これは僕に限らずです。たくさんの街の小さなパン屋さんの職人さんが、そうやって


一見非効率なことに人生かけて取り組んでたりしますから、是非それを味わってください。


油脂の話でだいぶ長くなってしまいました。




クロワッサン内層


そして折り込み方です。


折り込みは、一般的には、三つ折りと四つ折りがポピュラーです。


これを数回繰り返して層を形成します。


層が多いほど、「ハラハラ」繊細な食感。層が少ないほど「ザクザク」「バリバリ」しっかりした食感が作られます。


見た目も変わります。層が少ないほど見た目ではっきりとした層が見えます。


ワイルドな地層の様な「層」を見せたデニッシュを見かけたことがあると思います。



ただ何でもかんでも「層」を好きな様に作れるわけではありません。


その折り込み回数に応じた「配合」も必要です。


折り込まれるということは、それだけ生地が薄く伸ばされていくことになります。


何度も「パンチ」をすることになるので、生地がどんどん強くなっていきます。


ですので、最初からグルテンを作ってしまうと、織り込むたびに強くなりすぎて、発酵中、あるいは焼成中に、「裂ける」クロワッサンが出来上がります。


対策は、ミキシングをできるだけ弱く仕上げる。あるいはタンパクの少ない小麦を選ぶ。などがあります。


そして伸展性が必要ですので、練り込む油脂量も増やす必要があります。



さらに折り込む回数が減るということは、あまり生地と油脂が薄く伸ばされないので、パン生地自体も厚くなります。


ですので、「パン」の要素も大きく残り、「乾燥」に弱くなり、老化が早くなります。


油脂の層も厚いので、焼成温度が低いあるいはパンを投入後すぐに庫内温度が下がってしまうと、


折り込み油脂が蒸発せずに、溶け出してしまうことになり、焼いてる時に天板がバターの海になってしまいます。


オーブンの設定、あるいは能力によって、折り込み回数も考える必要があります。



クロワッサンを焼成する時、まずは高温で、油脂を瞬間的に蒸発させることで、層が浮き上がります。


その後、メイラード反応が起こり、そのままの温度では焦げてしまうので、温度を下げて、生地の水分をしっかり飛ばす必要があります。


パン生地に水分が残ると、焼き上がった後、冷めた頃に「ふにゃふにゃ」のクロワッサンになってしまいます。


レコルトのクロワッサンは、翌日でもそのまま食べていただけると思います。


それは、大体焼成時間が25分から30分焼いているからです。十分に水分を飛ばしているからです。


ですが、ただ水分を飛ばしてしまうだけではパサパサのパンになってしまいます。


折り込まれている油脂量。これが重要です。


油脂分がリッチに残ることで、乾燥し切った生地と合わさってパリパリでありながら、ジューシーな口当たりが実現されます。


参考にしてみてください。


クロワッサンイメージ03


是非試してください!

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